30歳でCSから“顧客体験をつくる側”へ転身した理由

30歳の主人公は、EC系スタートアップでカスタマーサクセスとして顧客対応や改善施策を実行していました。顧客と向き合う仕事は好きでしたが、対応業務が中心となり、「顧客体験全体を設計できていない」という物足りなさを感じるようになります。そこで挑戦したのが、大手外資コンサルティングファームのCX戦略コンサルタント。ケース面接を突破し、年収も510万から730万へ。顧客体験の上流設計から改善まで関わる環境に移り、“顧客の成功を仕組みでつくる”仕事へとキャリアを広げた成功事例です。

人物プロフィール

年齢:30歳
性別:女性
転職前:ECスタートアップ/カスタマーサクセス
転職後:外資コンサルティングファーム/CX戦略コンサルタント
転職前年収:510万
転職後年収:730万
転職動機・テーマ:顧客体験の設計から改善まで一貫して携わりたい。

ざっくりまとめると

・CSから外資コンサルのCX戦略職へ
・守り中心の業務に限界
・顧客体験全体を設計する仕事へ挑戦
・510万→930万にアップ
・CX戦略、VOC分析、ジャーニー設計を担当

転職前のキャリアと悩み

「CSの仕事は好き。でも“反応を追う仕事”だけで終わりたくない」
私はEC系スタートアップでカスタマーサクセスとして働いていました。問い合わせ対応、FAQ整備、業務フロー改善、VOC分析など、顧客の声を直接聞きながら改善に取り組む日々はやりがいがありました。

しかし、次第に“ユーザーの反応に追われる”業務が中心になり、「本当に顧客体験をよくする仕事は、もっと上流にあるはずだ」と感じるようになりました。そもそもの体験設計やプロセスの構造自体を変えなければ、根本的な解決にはつながらないと感じていたのです。

同じ頃、担当プロダクトが急成長したことで問い合わせ件数が増え、業務は常に逼迫。短期的な改善はできるものの、顧客満足度の根本課題には手をつけられない──そんなジレンマを抱えていました。

転職を意識したきっかけ

顧客体験は“接点”だけでは作れないと気づいた瞬間
転機は、外部のCXセミナーで外資コンサルのCX戦略チームの講演を聞いたことでした。彼らは顧客体験を「期待値形成 → 体験 → 継続利用」の一連の流れとして捉え、プロセス全体を設計するアプローチを取っていました。

「私が今やっているCS改善は、この大きな体験設計のほんの一部にすぎない」。 そう気づいたとき、顧客体験全体をつくる仕事に挑戦したいという思いが強まりました。

また、同世代の友人が上流志向のコンサルへ転身し、キャリアの幅を広げている姿を見て、「私も環境を変えればもっと成長できるのではないか」と感じたことも大きな後押しになりました。

転職活動内容

「対応した件数」ではなく「改善した価値」を軸に経歴を再設計
最初に取り組んだのは職務経歴書の書き換えでした。
これまで「問い合わせ件数」「対応スピード」「改善施策数」といったオペレーション指標を中心に書いていましたが、CXコンサルの選考では評価されません。

そこで、
・顧客課題をどう把握したか ・仮説をどう立て、どんなプロセスで検証したか ・改善によってどんな定量・定性インパクトを出したか を中心に構成し直しました。

エージェントとのケース面接練習では、「論点整理力」「課題の構造化」を徹底的にトレーニング。ダイレクト経由の現役コンサルとの面談では、実際のCX改善プロジェクトの進め方や難易度を教えてもらい、イメージをより具体化できました。

意思決定のポイント/自分の市場価値

“顧客課題の把握精度”と“検証プロセス”が強みとして評価された
複数社の選考を受けましたが、最終的に内定を得たのは大手外資コンサルティングファームでした。面接では「顧客の声をどう構造的に捉えていたか」「優先度の判断軸は何か」を細かく問われましたが、CS時代のVOC分析や改善提案プロセスをベースに論理的に答えられた点が高評価につながりました。

特に、CSという“現場に近い立場”でありながら、単なる対応業務に留まらず改善策を企画し実行までリードしていた点は、CXコンサルに求められる素養と一致していたようです。

オファー年収は930万円。顧客体験の戦略立案から改善まで一貫して関われる環境が整っていることが入社の決め手でした。

内定・転職後の変化

顧客体験を“仕組み”で変える仕事へ
転職後は、サービス業界やEC企業を中心にCX改善プロジェクトに参画。カスタマージャーニー設計、VOC分析、高付加価値施策の企画、KPI設計など、上流工程に深く携わるようになりました。

一方で、コンサル特有のスピードとアウトプットの質には慣れるまで苦労しました。特に仮説思考と論点設定の精度は求められるレベルが高く、日々鍛えられていると感じます。

それでも、自分の提案がクライアント企業の運用改善や顧客満足度向上につながったときの達成感は、CS時代には味わえなかったものでした。

メッセージと総括

CS経験は“顧客理解力”という強力な武器になる
CSから上流のCX戦略やコンサルに挑戦するのは、決して無理なキャリアではありません。むしろ、顧客理解や課題発見力というCSの強みは、顧客体験改善の文脈で大きな価値を持ちます。

エージェントはケース対策やキャリア整理に役立ち、ダイレクト経由では現場コンサルのリアルを知ることができました。どちらも必要でした。

今のCS業務が“対応中心”であっても、課題発見や改善プロセスを言語化できれば、チャレンジできる領域は一気に広がります。顧客体験を広い視点で捉えたい人には、ぜひ外資コンサルのCX領域をおすすめしたいです。

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