28才で部品メーカーから大手センサー機器メーカーへ。年収600万→750万を実現した若手フィールドエンジニアの飛躍

本日は、大手メーカーでの安定した品質保証のキャリアから、若くして大手センサー機器メーカーのフィールドエンジニアという、技術と顧客折衝の最前線に飛び込んだハイクラス人材の事例をご紹介します。

主人公は28歳、早稲田大学を卒業後、名門の大手自動車部品メーカーに入社。品質保証のエンジニアとして、製品の信頼性を守る重要な役割を担ってこられました。安定した職場で着実に技術力を培う一方で、自身の業務が「社内での調整」に終始し、顧客の現場での具体的な課題解決に直接関与できていない現状に物足りなさを感じていました。

そこで彼は、自身の技術的な素養と、顧客や営業との折衝で磨かれた高いコミュニケーション能力を最大限に活かし、さらに市場価値を高められる環境を求めます。転職活動を通じて、大手センサー機器メーカーがフィールドエンジニアに求める「技術コンサルティング」の要素に魅力を感じ、年収も600万円から750万円へと大幅アップを伴う転職を実現しました。

現在は、最先端の工場に訪問し、レーザーマーカーなどのFA機器の立ち上げからメンテナンスまでを一貫して担当。自分が手掛けた機械から印字された商品が市場に出る様子を目にし、大きなやりがいを感じています。安定を捨てて、技術サービスの最前線で活躍する彼のキャリア戦略を深掘りします。

人物プロフィール

年齢:28歳
性別:男性
転職前:大手自動車部品メーカー / 品質保証・顧客対応エンジニア職
転職後:大手センサー機器メーカー / フィールドエンジニア
転職前年収:600万
転職後年収:750万
転職動機・テーマ:専門性の深化、技術コンサルティングへの挑戦、成果のダイレクトな実感、年収アップ

ざっくりまとめると

早稲田大学出身、新卒で大手自動車部品メーカーに入社し、品質保証エンジニアとしてキャリアをスタート。 30歳手前にして、間接的な品質管理ではなく、顧客の課題解決に直接関わる技術コンサルティングの要素が強い仕事への渇望を抱く。転職動機は、自身の技術力と高いコミュニケーション能力を活かし、市場での価値を最大化したいというキャリアアップ志向と、年収アップ。転職活動では、エージェント経由で大手センサー機器メーカーの「フィールドエンジニア」という、技術サービスに加えてコンサルティング要素も求められる独自のポジションに注目。最終的に、年収750万円で大手センサー機器メーカーへの転職を成功。最先端のFA機器に触れ、顧客の生産性向上に貢献するやりがいあるキャリアを手に入れた。

転職前のキャリアと悩み

品質保証という「守り」の最前線で、顧客の顔が見えない葛藤。

新卒で大手自動車部品メーカーに入社し、品質保証のエンジニアとして7年間キャリアを積みました。早稲田で学んだ専門知識を活かし、製品の信頼性を高めるために日々尽力しており、仕事自体に誇りは持っていました。

しかし、私の業務は、製品が市場に出る前の品質チェックや、万が一不具合が発生した際の社内的な原因究明、そして報告書の作成が主でした。つまり、顧客対応の多くは営業やカスタマーサポート部門を経由しており、私が直接、顧客の現場に踏み込んで具体的な課題解決を提案する機会はほとんどなかったのです。

メーカーの品質保証は、まさに「守りの仕事」です。会社の信頼を守る非常に重要な役割ですが、「自分の技術が、お客様の生産性をどれだけ向上させたか」といった、事業へのダイレクトな貢献実感を得ることが難しくなっていました。

特に、市場のニーズが急速に変化する中で、自分の技術経験が、メーカーという大きな組織の中でしか通用しない「社内資格」のようになってしまうのではないかという危機感を抱くようになりました。

安定した大手企業で年収600万円という待遇でしたが、30歳という節目を前に、「自分の専門性を、もっと能動的に、そして高収入に直結する形で活かしたい」という強い気持ちが募り、転職を考えるようになりました。

転職を意識したきっかけ

「コミュニケーション能力」こそが、次のステップへ導く技術であると気づいた瞬間。

転職を意識した最大のきっかけは、社内で発生した大規模な品質問題の対応でした。この問題では、技術的な解決策だけでなく、顧客や営業担当との複雑な調整や進捗報告が求められました。私は持ち前のコミュニケーション能力を活かし、技術的な内容を分かりやすく説明し、関係者間の信頼回復とスムーズな問題収束に大きく貢献しました。

この経験を通じて、私は「単なる技術力だけでなく、技術と人を繋ぐコミュニケーション能力こそが、自分の最大の強みであり、次のキャリアを切り拓く鍵になる」と確信しました。社内での評価は高かったものの、このスキルをもっと「成果」に直結し、高額な報酬として評価される環境に身を置きたいと強く思いました。

そこで、顧客の現場で直接技術を提供し、かつ営業や開発とも密に連携を取るポジション、つまり「技術コンサルティング」の要素を持つ職種を探し始めました。技術サービス職の中には、単なるルーティンワークも多いですが、大手センサー機器メーカーのような「コンサルティングセールスノウハウ」を持つ企業であれば、技術サービスも高付加価値提案の一部として機能するのではないかと仮説を立てたんです。

そして、求人サイトで見つけたのが、大手センサー機器メーカーのフィールドエンジニアのポジションでした。お客様の現場に入り、生産性や効率をあげる「コンサルティング」の重要性がメッセージとして強く打ち出されており、まさに私が求めていた「技術と営業の融合」を実現できる場所だと感じました。自分のキャリアを能動的に変える好機だと捉え、本格的な転職活動を決意しました。

転職活動内容

「技術の通訳者」としての自己再定義と、ハイクラスエージェントへの集中。

転職活動の初動は、まず自己分析に基づき、自分の強みを「品質保証で培った機械の構造理解力」と「複雑な技術内容を分かりやすく伝え、関係者を調整できるコミュニケーション力」の二点に絞り込み、「技術の通訳者」として売り込む戦略を立てました。

求人情報の収集は、主にハイクラス転職に強いエージェント経由で進めました。私の経歴(早稲田、大手メーカー、技術職)はエージェントからも高評価を受け、大手センサー機器メーカーを含む複数の優良企業から求人紹介を受けました。ダイレクトリクルーティングや求人サイトもチェックしましたが、大手センサー機器メーカーのような特定企業の専門ポジションは、エージェントが持つ非公開求人情報の方が確度が高かったです。

活動を通じて改めて気づいた自分の強みは、「未経験のFA機器分野に飛び込む意欲」と「顧客ニーズを読み解く能力」でした。技術的なメンテナンス経験は「歓迎」要件程度で済む企業が多く、むしろ「お客様や営業担当と仕事の進め方を調整する機会が多い」というコミュニケーション能力が、技術職でありながらも高く評価されることを実感しました。

一方で、弱みは、やはり「レーザーマーカーやインクジェットプリンター」といった特定領域の**実務的なメンテナンス経験の不足**でした。この点は、面接で「知識は入社後のOJTでキャッチアップし、私のコミュニケーション力と問題解決能力は、その技術を顧客に最適に提供するために活かせる」と強く主張することでカバーしました。エージェントとの面接シミュレーションも徹底し、論点をブレさせないよう準備を進めました。

意思決定のポイント/自分の市場価値

技術への強い情熱と「コンサルティング」要素への共感が、年収750万円を勝ち取る決め手。

転職活動期間は約3ヶ月。書類選考の通過率は非常に高く、私の経歴は、自動車業界以外のハイテクメーカーや、技術商社のフィールドサービス、カスタマーサクセスといった職種で幅広く評価されました。これは、大手企業での経験と、技術職としては高いコミュニケーション能力を併せ持っていたためだと分析しています。

特に市場価値が高かったのは、「技術を顧客折衝に活かせる」ポジションです。逆に、純粋に専門的な技術開発や、マネジメント要素の薄いルーティンメンテナンス職では、書類通過率が低くなる傾向がありました。市場は、私の技術的な素地よりも、それをベースにした「課題解決力」を求めていることが明確になりました。

最終的に大手センサー機器メーカーに意思決定した最大の理由は、給与(初年度想定年収750万円)の高さだけでなく、「ファクトリーオートメーションの世界でコンサルティングを行う」というミッションへの強い共感でした。ただ機械を修理するのではなく、「生産性や効率をあげるコンサルティング」としてフィールドエンジニアの業務を位置づけている点に、自分のキャリアパスとの合致を感じたのです。

面接では、単なる技術経験ではなく、「いかに顧客に感謝されるか」「いかに効率的な提案ができるか」という、成果主義的な視点と、技術への強い情熱を評価してもらい、提示された年収740万~770万円のレンジの上限に近い750万円というオファーを受けることができました。この環境こそが、自分の技術と対人能力を最高レベルで融合させられる舞台だと確信しました。

内定・転職後の変化

ポジティブ要素:成果がダイレクトに見える喜びと、圧倒的な成長スピード。

転職後の最も大きなポジティブな変化は、自分の仕事の成果を市場でダイレクトに確認できるようになったことです。自分が立ち上げたレーザーマーカーで印字された商品がコンビニやスーパーに並んでいるのを目にすると、非常に大きなやりがいを感じます。また、お客様から直接「効率が上がった、ありがとう」と感謝されることが増え、前職で薄れていた「事業貢献の実感」を取り戻しました。

大手センサー機器メーカーならではの環境として、最先端のファクトリーオートメーション全般に関わる機会が多く、技術的な成長スピードが圧倒的に速いことも魅力です。毎日新しい知識を吸収し、技術コンサルタントとしての専門性が深まっていくのを実感しています。

ネガティブ要素(課題):求められる知識の広さと、プロ意識の高さ。

ネガティブというより、常に高いモチベーションを維持する必要がある点です。お客様や営業担当と密に連携を取りながら、多数のプロジェクトの進捗を調整する「マルチタスク対応力」は想像以上に求められます。また、扱う製品の知識だけでなく、お客様の生産ライン全体の知識まで含めた高いレベルでの提案力が求められるため、常に自己学習を怠ることはできません。社内のプロフェッショナルなレベルの高さに圧倒されることもありますが、それを乗り越えることが自己成長に繋がると信じています。

これからは、単体の機器の立ち上げだけでなく、顧客の工場全体の生産ラインの効率化を技術面からリードする、「FAコンサルタント」としてのキャリアパスを確立していきたいと考えています。

メッセージと総括

技術力と対人能力の掛け算を評価してくれる環境を見つけることが成功の鍵。

私と同じように、大手企業で高い教育を受けてきたものの、「技術力を顧客との直接的な成果に繋げたい」と考える若手エンジニアの方は多いと思います。特に、専門的な技術職への転職活動において、エージェントとダイレクトリクルーティングをどう使い分けるかは重要な戦略になります。

エージェントのメリットは、大手センサー機器メーカーのようなハイクラスかつ専門性の高い非公開求人へのアクセスと、報酬交渉をプロに任せられる点です。私の事例のように、フィールドエンジニアでありながら高年収のオファーを引き出すには、企業が求める「コミュニケーション能力」や「ポテンシャル」を正確に翻訳し、評価してもらうための戦略的なサポートが不可欠です。

  • エージェントが合う人:自分の市場価値を客観的に評価しきれていない人、特定の超優良企業の非公開ポジションを狙いたい人、年収交渉で妥協したくない人。

ダイレクトリクルーティングのメリットは、自分のスキルセットがどのような企業に求められているかを客観視できる点です。技術職の場合、経歴書に書かれた専門用語やプロジェクト経験をAIや採用担当者が直接評価するため、自分のニッチな専門性が思わぬ分野で高評価を得るヒントになります。

  • ダイレクトリクルーティングが合う人:自分の専門分野に自信があり、幅広い業界の評価を自ら確認したい人、主体的に企業とコミュニケーションを取りたい人。

技術職であっても、コミュニケーション能力や調整力は最高の付加価値となります。単なるメンテナンス経験ではなく、「あなたの技術がお客様にどれだけの付加価値を提供できるか」を論理的に伝えられる環境、つまり「技術コンサルティング」の要素を持つポジションを意識して探すことが、キャリアアップと高年収を実現する鍵となります。

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