38才で経理からスタートアップCFO補佐へ転身した理由
38歳、上場企業で経理・連結決算を担当していた彼は、ルーティン化した業務に物足りなさを感じていました。「決算を締めるだけではなく、事業成長のスピードを作る役割がしたい」という思いから、AIスタートアップのCFO補佐へ転身。本事例では、財務戦略・資金調達・管理会計の高度スキルをどう活かし、事業成長に貢献したのかを紹介します。
人物プロフィール
年齢：38歳
性別：男性
転職前：上場企業／経理・連結決算担当
転職後：AIスタートアップ／CFO補佐（財務戦略・資金調達）
転職前年収：750万
転職後年収：900万
転職動機・テーマ：経理の枠を越え、事業成長に直結する財務戦略を担いたい
ざっくりまとめると
・上場企業の経理からAIスタートアップCFO補佐へ
・750万→900万＋SO
・課題：ルーティン化した決算実務への限界
・強み：連結決算、開示、資金繰り、管理会計
・スタートアップでは調達・PMI支援など高裁量を担当
転職前のキャリアと悩み
“決算を締める日々”から抜け出したい葛藤
私は上場企業で経理・連結決算を担当していました。仕事は安定しており、組織も整備されていましたが、年々ルーティンの色が強まり、「会社の未来を作っている実感」が持てない悩みが増えていきました。
特に感じていたのは、経営層と現場の距離です。経理として数字をまとめる立場だったものの、意思決定の背景や事業の実態には触れられず、数字の“結果”だけを扱う日々でした。
現場で何が起きているのか、なぜ数字が動くのか、その前後を理解しないまま決算を進めることに違和感が募り、「もっと事業の近くで働きたい」という思いが強くなっていきました。
転職を意識したきっかけ
スタートアップCFOからの“財務戦略を担ってほしい”という一本の声掛け
転機は、テレビCMで知った企業の口コミサイトのスカウトサービスに登録した職務経歴書を見て、あるAIスタートアップのCFOから届いたスカウトでした。カジュアル面談だったので、オンラインで気楽につながりましたが、その中でCEOは次のような話をしてくれました。
・財務戦略を担える人材が圧倒的に不足している
・数字ではなく“意思決定プロセス”を一緒に作りたい
・資金調達や管理会計を任せられる人が必要
私は長年経理をしてきましたが、財務戦略に挑戦したい思いは強く、話を聞く中で「ここなら事業の中心に近い仕事ができる」と感じ始めました。
特に、CFOからの「経理経験は財務の基礎として強い武器になる」という言葉が、背中を押してくれました。
転職活動内容
経理スキルを“財務戦略の言語”に翻訳し直した準備
カジュアル面談で気付きを与えてくれたAIスタートアップに決めようと思いましたが、他の転職先の選択肢を広げたいとも思い、本格的に情報収集・転職活動を開始しました。際して、まず最初に経理経験を財務戦略にどう転換できるか棚卸ししました。
【経理で培った強み】
・連結決算・開示
・税務・内部統制
・資金繰り管理
・管理会計の基礎
【CFO補佐に求められる能力】
・資金調達資料の作成
・投資家コミュニケーション
・KPI設計とモニタリング
・事業計画の精緻化
差分は“言語化”だと気づき、IR資料や海外SaaS企業の投資家向け資料を研究し、自身の分析力を“投資家の視点”に合わせて再定義しました。
活動ルートは転職エージェントと登録とスカウトサイト登録ですが、エージェントの支援サービスをうまく活用し、ハイクラス財務人材の市場動向を教えてもらい、スカウト経由ではCFOや財務関連の担当者に直接面談をお願いし、その会社での実務イメージを具体化しました。
意思決定のポイント／自分の市場価値
意思決定の軸は“財務で事業を動かせるか”
複数社から内定をいただきましたが、最終的に選んだのは、資金調達と事業拡大のフェーズに入った最初にカジュアル面談をしてくれたAIスタートアップでした。
決め手は、
1. 予実管理・資金調達・KPI設計を横断的に担える
2. CFO直下で経営と事業の両輪を理解できる
3. 財務が“事業成長の中心”として扱われている文化がある
他社では財務部門が“管理の延長”として扱われており、自分が求める「攻めの財務」とはギャップがありました。
内定・転職後の変化
財務が“攻め”に転じた瞬間の手応え
転職後は、資金調達、予実管理、KPIダッシュボード整備、PMI支援など、幅広い領域を担当しました。
特に、シリーズB調達に向けた資料作成と投資家説明は、経理時代には経験できなかった大きな挑戦でした。
課題もありました。スタートアップは制度・仕組みが整っていないため、0→1で設計する力が求められます。しかしその分、財務の提案がそのまま経営判断に反映される環境は、非常に刺激的でした。
メッセージと総括
“経理から財務戦略へ”キャリアを広げたい人へ
経理経験は財務戦略に強く活かせます。
特に、数字を正しく作れる人は、投資家からも事業側からも高く評価されます。
エージェントはハイクラス財務人材の市場把握に、スカウトは経営陣との距離感を確認するのに役立ちます。
「もっと事業に近い数字を扱いたい」「経営の意思決定に関わりたい」
そんな方にはCFO補佐は最適なキャリアだと思います。
あなたと同じタイプの転職成功事例を探す
会員登録(無料)