28才で外資ITコンサルから事業会社DXリードへ挑戦
外資ITコンサルでプロジェクトマネジメントや業務改革の上流を担当していた28歳の彼は、クライアントに価値を届けるほど「自分は本当に事業を動かしているのか?」という疑問を強くしていきました。提案までは深く関わるのに、実装や運用には携われず、成果への責任が持てない。その葛藤を抱える中、AIプロダクトで急成長するスタートアップと出会い、構想だけでなく“現場で数字をつくるDX”に挑戦するチャンスを得ます。裁量、スピード、そしてプロダクトに近い環境。こうして彼は、年収900万+SOという条件で新たなキャリアへ踏み出しました。
人物プロフィール
年齢:28歳
性別:男性
転職前:外資系ITコンサルティングファーム/テクノロジーコンサルタント
転職後:AIプロダクト企業/DX推進リード
転職前年収:700万
転職後年収:900万
転職動機・テーマ:提案・構想止まりではなく、実装・運用・改善まで責任を持ちたい
ざっくりまとめると
・外資ITコンサルからAIプロダクト企業DX推進リードへ
・700万→900万+SO
・“提案して終わる”コンサルの役割に限界
・実装〜運用〜改善までDXをやり切る環境を求めて転職
・PMF直前フェーズで事業とプロダクトの両面に関与
転職前のキャリアと悩み
“提案して終わる”ことへの違和感と、事業に触れられない焦燥
私は、外資系ITコンサルで働き始めて4年。業務改革プロジェクトやIT戦略立案など、大規模案件の上流工程を幅広く担当していました。クライアントとの折衝力、論点整理、ストーリーづくりにはやりがいがあり、自分の市場価値も高まっている実感がありました。
ただ、経験を積めば積むほど、「このままで良いのか」という感情が強くなりました。提案フェーズではクライアントと二人三脚で改革案を作り上げますが、実装や運用フェーズは別部門やSIerが担当し、自分は次の案件へ移っていきます。
プレゼンの場では拍手をもらえても、その後の現場で何が起きているのか、KPIは本当に改善したのか、自分の提案がどこまで価値を出せたのかを確かめることはほとんどありませんでした。
「構想を描くだけで終わっていないか」
「数字が動くところまで見届けたい」
そう考える機会が増えていき、20代後半のタイミングで、キャリアの方向性を真剣に考え直すようになりました。
転職を意識したきっかけ
AIスタートアップCEOとの対話で見えた“内側でDXを回す”キャリア
転機は、AIプロダクトを開発するスタートアップのCEOから届いたスカウトでした。最初は情報収集のつもりでオンラインミーティングに参加しましたが、話を聞くうちに自分の中で何かが変わっていくのを感じました。
「構想や提案をしても、動かさなければ意味がない。うちは、動かすところまで一緒にやりたい」
CEOのこの一言が強く刺さりました。
その会社はちょうどPMF直前のフェーズで、プロダクトを磨き込みながら導入企業での成功事例を積み上げていく段階でした。
・既存業務の可視化と課題抽出
・AI適用領域の選定とPoC設計
・プロダクト側へのフィードバック
・現場への定着支援とKPI設計
これらをひとまとめに担うポジションが「DX推進リード」。まさに、コンサル時代に「本当はここまでやりたい」と思っていた役割そのものでした。
転職活動内容
“スライドが上手い人”ではなく、“数字を動かす人”として自分を定義し直した
転職活動で最初に取り組んだのは、自分の経歴の見せ方を変えることでした。
【これまでの自分の自己PR】
・大規模プロジェクトのマネジメント経験
・論点整理と資料作成が得意
・経営層へのプレゼンテーションスキル
これらは決して悪くありませんが、事業会社やスタートアップの視点からすると「コンサルっぽい」で終わってしまう危険もあります。そこで、同じ事実を次のように言い換えるようにしました。
・経営課題を数値指標に落とし込み、KPIとして設計してきた経験
・業務改革案を、現場オペレーションに落とし込むプロセスまで描いてきたこと
・プロジェクトの前後で、どの指標がどれだけ改善したのかを検証してきたこと
面接では、パワーポイントの枚数や美しさではなく、「どのような問いを立てて、どのように数字を変えたのか」に焦点を当てて話すよう意識しました。
また、AIプロダクト企業との面談では、DXの成功事例だけでなく、「何がうまくいかなかったか」「なぜ浸透しなかったのか」といった失敗も含めて正直に共有したことで、カルチャーフィットの面でも好印象を持ってもらえたと感じています。
意思決定のポイント/自分の市場価値
“提案だけでなく実装までやる”環境を最優先にした意思決定
最終的に数社からオファーをいただきましたが、その中でAIプロダクト企業を選んだ理由は明確でした。
1つ目は、DX推進リードとして構想〜実装〜定着まで一貫して関わる前提になっていたことです。
2つ目は、プロダクトの改善に自分の意見がダイレクトに反映される環境だったこと。
3つ目は、CEOやCTOと直接議論しながら意思決定に関われる距離感でした。
他の選択肢として検討していた大手企業のDX部門は、役割や範囲があらかじめ細かく決められており、「結局、プロジェクト管理が中心になるだろう」と感じました。
一方でAIスタートアップでは、人数が限られているからこそ、プロセスをまたいで責任を持つことが求められます。
“提案だけで終わらないDX”に挑戦できるかどうか。この軸で比較した結果、迷いなくこの会社を選びました。
内定・転職後の変化
“数字が動くDX”の面白さと、現場で感じるリアルな難しさ
入社後は、クライアント企業の業務プロセスの可視化、AI適用領域の選定、PoCの設計と実行、結果分析、プロダクト側へのフィードバックまで、一連のサイクルを回す役割を担っています。
特に、自分が設計した改善案が実際の業務に組み込まれ、数カ月後のKPIに変化として表れる瞬間は、コンサル時代には味わえなかった手応えがあります。
一方で、現場には想定外の抵抗や制約も多く、カットオーバー後も微調整が続きます。スライドの中だけではきれいに見えていた改革案が、現場で運用されるときのギャップに向き合うことは、正直に言って楽ではありません。
それでも、「現場まで含めてDXをやり切る」という覚悟を持てたことで、自分の仕事への納得感は大きく変わりました。今の目標は、自社プロダクトを軸にしたDXモデルを複数の業界で再現できる形にすることです。
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