27歳事務職の転職事例/データドリブンCSへ/年収360万→520万
27歳、大手メーカーの本社で一般事務として働いていた彼女は、数年前からRPAやAIツールの導入が進み、自分の担当していたルーティン業務が少しずつ自動化されていくのを目の当たりにしていました。「このまま同じ事務職を続けていて、10年後も必要とされるだろうか」。そんな不安をきっかけに、AIに代替されにくく、むしろAIを活用しながら価値を出せる仕事にキャリアチェンジしたいと考えるように。
転職先として選んだのはBtoB SaaS企業のデータドリブン・カスタマーサクセス職。顧客データを分析しながら、解約防止や活用促進の施策を実行するポジションです。事務で培った正確さや情報整理力を活かしつつ、データと顧客接点の両方に関われる新しいキャリアに挑戦することを決めた転職事例です。ご覧ください。
人物プロフィール
年齢:27歳
性別:女性
転職前:大手メーカー/一般事務(バックオフィス)
転職後:BtoB SaaS企業/データドリブン・カスタマーサクセス
転職前年収:360万
転職後年収:520万
転職動機:ルーティン事務の多くがAIとRPAで自動化され始め、自分の将来に不安を感じたことをきっかけに、データと顧客接点の両方で価値を出せる職種にキャリアチェンジしたかったため
ざっくりまとめると
・大手メーカーの一般事務→BtoB SaaSのデータドリブンCSへ転身
・ルーティン事務がRPA・AIで自動化され始め将来に不安
・360万→520万、AIを活用しながら顧客課題を解決する仕事へ
・事務で培った正確さと情報整理力を、データ分析とCS業務に転用
・“AIに置き換えられる仕事”から“AIと一緒に価値をつくる仕事”へシフトした事例
転職前のキャリアと悩み
AIとRPAが“自分の仕事”を少しずつ侵食していく感覚
私は、大手メーカーの本社で一般事務として働き請求書処理やデータ入力、会議資料のフォーマット作成など、いわゆるバックオフィス業務を中心に担当していました。最初のうちは自分に任される業務が増えることにやりがいを感じていましたが、ここ数年で状況が変わり始めました。RPAツールが導入され、定型的な入力作業や転記作業の多くが自動化され、AIを使った文書作成支援ツールによって、以前なら時間をかけて作っていた資料のたたき台もあっという間に出来上がってしまうようなりました。
便利になった一方で、「この作業、私じゃなくてもいいよね」と感じる瞬間が増えていきました。部署内でも、業務改善プロジェクトの中心はRPAやAIツールを使いこなす一部のメンバーに集まり、私は“自動化された後に残る少しの作業”だけをこなす役割になりつつありました。このままでは、スキルも年収も頭打ちになるのではないかという不安が、じわじわと大きくなっていきました。
転職を意識したきっかけ
「AIに奪われる側」ではなく「AIと一緒に価値を出す側になりたい
ある日、社内のDX研修で担当者が 「これからは単純作業はAIやRPAによってどんどん自動化される。その分、人はデータを読み解き、顧客や現場の課題を見つける役割にシフトしていく」 という話をしていたのですが、タイミングよく、友人がSaaS企業でカスタマーサクセスとして働いている話を聞く機会がありました。顧客データを分析しながら、解約防止やアップセルの提案をしていると聞き、「事務で培った正確さや情報整理の力を活かしながら、よりビジネスに近いところで価値を出せる仕事かもしれない」と思いました。そこから、本格的に転職を考え始めました。
転職活動内容
“事務経験しかない”を、“データと顧客をつなぐ強み”に言い換える
転職活動を始めるにあたってまず取り組んだのは、自分の経験を「AI時代でも通用するスキル」に言い換える作業でした。単なる一般事務ではなく、
・大量のデータをミスなく処理してきた正確性
・属人的だった業務をマニュアル化して引き継ぎしやすくした改善経験
・営業や経理など他部署と連携しながら情報を整理してきた調整力
といったエピソードを洗い出し、「データと現場をつなぐ橋渡し役になれる」というストーリーにまとめました。
応募先として選んだのは、BtoB SaaS企業のカスタマーサクセス職。その中でも「データドリブン」「ヘルススコア」「解約分析」といったキーワードが出てくる求人を中心に探しました。転職エージェントにも登録し、事務からCSやアナリスト寄りポジションへのキャリアチェンジ事例を教えてもらいながら、自分の職務経歴書をブラッシュアップしていきました。
意思決定のポイント/自分の市場価値
360万→520万。未経験でも“数字に強いCS”として評価された
最終的に内定を得たのは、中堅規模のBtoB SaaS企業でした。職種は「データドリブン・カスタマーサクセス」。CSチームの一員として顧客を担当しつつ、利用ログやヘルススコアをもとに、解約リスクの高い企業を早期に検知し、具体的な打ち手を考える役割です。
面接では、事務職での業務改善経験や、Excelやスプレッドシートを使った集計・レポート業務の話が特に評価されました。「未経験でも、数字に抵抗がなく、業務プロセスの構造を理解できる人なら、CSとして伸びしろが大きい」と言われ、自分のこれまでの経験が無駄ではなかったと感じられた瞬間でした。
提示された年収は、前職360万から520万へと大きく上がり、「事務だから年収は上がりづらい」と半ば諦めていた自分にとって、キャリアチェンジの大きなモチベーションになりました。
内定・転職後の変化
AIを怖がるのではなく、“相棒”として使う立場になれた
入社後は、まず自社プロダクトの理解と、顧客の業界構造をキャッチアップすることに時間をかけました。同時に、CSチームが使っているダッシュボードやログ分析ツールの見方を学び、自分でも仮説を立てながら数字を見る練習を重ねました。
今では、AIを使ってサマリーを作成したり、顧客ごとの利用傾向を自動クラスタリングしたりしながら、「なぜこの顧客は使い続けてくれているのか」「どこでつまずいて解約につながろうとしているのか」といった問いに向き合っています。AIが出した結果をそのまま鵜呑みにするのではなく、自分の目と顧客との対話を通じて解釈し、打ち手を考えるプロセスには、人ならではの価値があると感じています。
かつては“AIに仕事を奪われる側”だと感じていた私が、今は“AIと一緒に顧客価値を高める側”になれたことが、大きな心の支えになっています。
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