29歳CSの転職事例/テクニカルCS(AIヘルプデスク)へ/380万→520万

29歳、BPO企業のカスタマーサポートセンターで働いていた彼は、ここ数年で自分の仕事が大きく変わりつつあることを痛感していました。以前はすべての問い合わせに人が対応していましたが、AIチャットボットや自動応答システムの導入が進み、一次対応の多くが機械に置き換わっていったのです。
オペレーターとしての自分の役割が「AIで対応できなかった案件の後処理」に近づいていく感覚の中で、「このままではキャリアの選択肢が狭まってしまうのではないか」という不安が大きくなっていきました。そんなときに出会ったのが、BtoB SaaS企業のテクニカルカスタマーサクセス職。AIヘルプデスクの設計や運用まで担当するそのポジションに魅力を感じ、「AIに置き換えられる側ではなく、AIサポートをつくる側」に回ることを決意しました。ご覧ください。

人物プロフィール

年齢:29歳
性別:男性
転職前:BPO企業/カスタマーサポート(問い合わせ対応)
転職後:BtoB SaaS企業/テクニカルカスタマーサクセス(AIヘルプデスク構築担当)
転職前年収:380万
転職後年収:520万
転職動機:問い合わせ一次対応の多くがAIチャットボットに置き換わりつつあり、「自分は何を付加価値として残せるのか」に不安を感じたため。AIに仕事を奪われるのではなく、AIヘルプデスクを設計・運用する側に回りたいと考えた。

ざっくりまとめると

・BPO企業のカスタマーサポート→BtoB SaaSのテクニカルカスタマーサクセスへ
・一次対応の多くがAIチャットボット化され、「自分でなくても良い仕事」が増えた危機感
・380万→520万、AIヘルプデスクの設計・運用まで担うポジションにシフト
・問い合わせ対応経験をもとにFAQ設計や対話フロー設計をリード
・“AIに置き換えられる側のサポート”から“AIサポートをつくる側”へ転身した事例

転職前のキャリアと悩み

AIチャットが前に出て、人のサポートは“残りカス処理”になっていく不安
BPO企業のカスタマーサポートとして、私は複数のクライアント企業の問い合わせ窓口を担当していました。電話やメール、チャットで寄せられる質問に対応し、マニュアルを確認しながら回答する日々。クレーム対応がうまく収まったときには達成感もありましたし、「ありがとう」の一言がモチベーションになっていました。

ところが、数年前から状況は変わり始めました。大口クライアントほどAIチャットボットや自動応答システムの導入が進み、パスされてくる問い合わせは「AIでは対応できなかった複雑なケース」や「そもそもチャットボットの回答に納得していない怒りの電話」が中心になっていきました。

AIチャット導入のプロジェクトに私は直接関わっていませんでしたが、説明会で「よくある質問の8割はAIで解決できるようになります」と聞いたとき、胸の奥がざわつきました。自分の仕事の大半が、AIによって徐々に削られていくような感覚に陥り、「このまま10年続けて、どんなキャリアが残るのだろう」と本気で考えるようになりました。

転職を意識したきっかけ

“AIチャットに仕事を奪われる”から“AIチャットを育てる”発想への転換
転機になったのは、クライアント企業のCS責任者が開いた共有会でした。そこで彼は、「AIチャットはオペレーターの仕事を奪うためではなく、より価値の高い対応に人のリソースを振り向けるためのものだ」と話していました。さらに、「AIがうまく答えられるようにFAQや対話フローを設計するのは、人にしかできない仕事だ」と強調していたのです。

その言葉を聞いたとき、正直なところ最初はきれいごとのようにも感じました。しかし、実際にチャットボットのログを見せてもらうと、AIがうまく答えられなかった質問の多くは、FAQの構造や選択肢の設計が原因であることが分かりました。「ここは、オペレーターとして現場を知っている自分だからこそ改善のヒントが出せるのではないか」と思い始めたのです。

そこから、AIチャットやヘルプデスクツールについて自分なりに勉強を始め、「AIサポートの仕組みそのものをつくる仕事」に興味を持つようになりました。そして、「AIに仕事を奪われるのではなく、AIと一緒により良いサポート体験をつくる側に回りたい」と強く思うようになりました。

転職活動内容

オペレーター経験を“FAQ設計者”と“フロー改善者”として言語化する
転職活動を始めるにあたり、まず取り組んだのは、自分の経験を単なる「問い合わせ対応」ではなく、「サポート体験の設計・改善」に言い換えることでした。
・問い合わせが多かったテーマを自分で集計し、マニュアルやテンプレートを改善した経験
・新人オペレーター向けにトークスクリプトや対応フローを作成し、教育に関わったエピソード
・クレームが頻発していた導線について、FAQの見せ方や案内文言の改善を提案した事例
などを洗い出し、「現場の声をもとにサポート設計を改善してきた人材」というストーリーに組み立てました。

転職経路としては、まずカスタマーサクセスやテクニカルサポートに強いエージェントに登録し、自分のバックグラウンドでも応募可能なポジションを紹介してもらいました。同時に、ダイレクトリクルーティングにも登録し、AIヘルプデスクやチャットボットを扱っているSaaS企業に絞ってスカウトを待つ戦略を取りました。カジュアル面談では、「現場で見てきた問い合わせのリアリティ」と「AIに対する危機感と期待」を率直に伝えることで、単なるオペレーターから一歩踏み出したい本気度をアピールしました。

意思決定のポイント/自分の市場価値

380万→520万、“問い合わせ対応者”から“AIヘルプデスクの設計者”として採用
最終的に入社を決めたのは、BtoB向けにカスタマーサポートプラットフォームを提供しているSaaS企業でした。ポジションはテクニカルカスタマーサクセスで、導入企業の問い合わせフロー設計やAIチャットボットのFAQ構築支援までを担う役割です。提示された条件は年収520万円。前職から140万円のアップでしたが、それ以上に「AIサポートの仕組みを一緒につくってほしい」という期待がうれしく感じられました。

選考では、問い合わせログを読み解きながら「どのようにFAQを再設計するか」をその場で考えるワークがありました。BPOでの経験から、ユーザーがどこでつまずくか、どういう言い回しだと理解しづらいかといった点を具体的に説明できたことが評価されました。一方で、SaaSプロダクトの仕組みや管理画面の操作などは未経験でしたが、「現場感とユーザー視点」は他の候補者にはない強みだと言われ、自信につながりました。

内定・転職後の変化

AIが前に立ち、人は“どんな問いを解決させるか”をデザインする仕事に
入社後は、まず自社プロダクトの機能と連携先ツールの理解からスタートしました。同時に、クライアントごとの問い合わせログやチャット履歴を分析し、「どの質問はAIに任せるべきか」「どのレベルから人が対応すべきか」の線引きを考える日々が続きました。

今の仕事では、AIチャットボットがユーザーと最初に会話する前提で、FAQの構造や対話フローを設計します。質問の出し方一つで解決率が大きく変わるため、オペレーター時代に培った“ユーザーがつまずきやすいポイント”の感覚が非常に役立っています。また、AIが対応しきれなかったケースを振り返り、「どのパターンを学習データとして追加すべきか」「どこまで自動化し、どこから人が出ていくか」をクライアントと議論することも増えました。

かつてはAIチャットに仕事を奪われるのではないかと不安でしたが、今はAIをどう活かし、人の対応をどこに集中させるかを考える側に回れたことで、キャリアに対する前向きな感覚が戻ってきました。

メッセージと総括

“AIに代替される仕事”かどうかではなく、“AIと組んで価値を出せるか”でキャリアを選ぶ
カスタマーサポートやコールセンターで働いていると、チャットボットや自動応答の導入ニュースを見るたびに、不安な気持ちになることがあると思います。私もまさにその一人でした。ただ、AIヘルプデスクの設計に携わるようになって感じるのは、「AIに代替される仕事」かどうかよりも、「AIと組んでどれだけ価値を出せるか」でキャリアを選ぶことが重要だということです。

エージェント経由であれば、自分のオペレーター経験がどのようなSaaS企業やCSポジションで生きるのかを一緒に整理してもらえます。一方で、ダイレクトリクルーティングでは、実際にAIチャットやヘルプデスクツールを提供している企業のCS責任者と直接話ができ、「どこまで任せたいと考えているか」「現場でどんな課題を感じているか」を生の言葉で聞くことができます。

AIの進化は止められませんが、その流れの中で「ユーザーにとってストレスの少ない問い合わせ体験とは何か」を考え続ける人材は、これからますます求められるはずです。不安だけで立ち止まるのではなく、AIと一緒に価値をつくる側に回る選択肢もぜひ検討してみてほしいと思います。

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