36歳 AI失業回避型転職 / 行政書士から企業の法務DXマネジャーへの転身ストーリー

今回ご紹介する転職事例は36代男性です。この人物は地方の中堅行政書士事務所で、許認可申請や契約書作成を数多く手掛けてきて、依頼は途切れず、生活に大きな不満はありませんでした。しかしオンライン申請やAIによる文書作成が浸透するにつれ、「このまま書類作成中心の仕事を続けて良いのか」という不安が大きくなります。一方で企業側ではコンプライアンス体制や法務DXの需要が急増していました。自身の知識を“書類代行”ではなく“仕組みづくり”に活かす道を模索し、リーガルテック企業への転職を決意します。

人物プロフィール

年齢:36歳
性別:男性
転職前:地方の行政書士(中堅司法書士事務所)
転職後:大手・法務DXコンサル職
転職前年収:580万
転職後年収:820万
転職動機・テーマ:AIに業務領域を奪われる危機意識と年収アップの見込みがなかったので、転職を意識

ざっくりまとめると

行政書士から法務DXコンサルへのキャリア転換事例。AI代替リスクを見据え、仕組みづくりへシフトした理由とプロセスを紹介。

転職前のキャリアと悩み

書類を作成する士業で、この先10年戦えるのか」そんな漠然とした不安が現実味を帯びた瞬間がありました。

私は行政書士として働き、許認可申請や契約書作成などの業務を通じて、顧客から感謝されることも多く、決して嫌いな仕事ではありませんでしたが、ここ数年で、行政手続きのオンライン化やAIによる書類ドラフト作成の技術進化が急速に進み、「士業に依頼しなくてもある程度はできる」という機運が確実に高まっていることを肌で感じていました。

事務所としても単価が下がり、競争は激化。この流れが続けば、将来的に“書類作成の代行”という役割そのものが淘汰されるのではないかという危機感が日に日に増していきました。

そんな中、クライアント企業と話す中で、単なる書類作成ではなく「社内規程の整備」「契約プロセスの標準化」「コンプライアンス体制構築」といった、より上流の領域に課題があることにも直面しました。自分は手続き業務に追われるばかりで、もっと本質的な課題に向き合う余力を失っていることにも気づき、キャリアの転換を考え始めました。

転職を意識したきっかけ

「AIによる代替が一気に現実化した」その事実が転職を決定づけました。

きっかけは、ある企業の法務担当者が「申請書類も契約書のドラフトも、まずAIに書かせてから調整している」という言葉。いつか訪れる事と、頭では理解していた“AI代替”が、意外と早く進んでいると感じました。

その法務担当者は続けて、「むしろ困っているのは社内規程や運用ルールの整備。そこはAIだけではどうにもならない」と話していました。 つまり価値が移動しているのは、書類作成ではなく“仕組みづくり”。これまでの経験を最も活かせる場所が、行政書士の外にあるのではないか。そう思い、本格的に転職を検討し始めました。

転職活動内容

士業としての経験を「企業法務・コンプラ体制構築」に翻訳する作業から始めました。

転職活動ですが、最初のステップは、自分の経験を棚卸しし、単なる“手続き代行”ではなく“業務フローをつくってきた経験”として再構築することでした。

・どんな業界のクライアントと関わったか
・どんな法令リスクを把握し、どう回避してきたか
・申請に必要な社内情報をどう整理し、チェックフローを改善したか

こうした内容を職務経歴書に反映し、“法務体制を設計できる人材”としてアピールする形に仕上げました。

転職経路は、士業出身者に強いエージェントと、リーガルテック企業への直接応募の2つ。面談ではAIを実際に使用した上で感じた課題やプロダクト改善の仮説を伝え、“テクノロジーを使う側”としての姿勢を評価されました。

意思決定のポイント/自分の市場価値

評価されたのは「法令理解 × 現場感 × テクノロジーへの前向きな姿勢」でした。

いくつか内定をもらった中で、最終的に選んだのは、コンプライアンス・契約管理・社内規程整備をクラウドで一元化できるリーガルテック企業です。面接で評価されたのは特に次の3点でした。

・法令要件を“現場の業務フロー”に落とし込んできた経験
・契約書管理や社内規程の整備など、上流の仕組み設計に踏み込んだ実績
・AIやクラウドツールを積極的に活用し、改善点を論理的に語れた点

年収は580万 → 820万+業績連動ボーナスへ。年収以上に、「仕組みを作る側」へのシフトが最大の決め手となりました。

内定・転職後の変化

手続き代行ではなく、「組織全体の法務体制を設計する仕事」へ。

入社後は、コンプライアンス・法務DXに関する導入コンサルタントとして、契約書テンプレ整備、規程類の棚卸し、リスク管理フローの構築など、より“上流の法務設計”に携わっています。

行政書士時代と比べて関わる領域は広がり、プロジェクトのスケールも大きくなりました。AIやシステムの進化を前提に、どの部分を人が判断し、どの部分を自動化するかを設計していく仕事には確かなやりがいがあります。

一方で、プロダクト側の制約や顧客の文化に合わせた現実的な落としどころを探る難しさもあります。それでも自分が関わった仕組みが組織全体に浸透し、リスク削減や業務効率化につながる瞬間に、強い達成感を覚えます。

メッセージと総括

AI時代の士業キャリアは、「下流作業から上流設計」へのシフトが鍵になると思います。

AIやオンライン申請の普及で、士業の一部業務は確実に置き換えられていきます。特に、定型的な書類作成は真っ先に代替される領域です。

しかし、法令の背景を理解し、業務フローに落とし込み、運用ルールを整備する“上流の仕組みづくり”は、今後も人が担う重要な仕事です。 そのため、もし現在の業務が書類作成中心であれば、一度自分の経験を「仕組みづくり」の観点で棚卸ししてみることを強くおすすめします。

転職活動では、エージェントは職務経歴の翻訳に役立ち、ダイレクトリクルーティングでは企業側の課題を知ることができます。両方使うことで視点が広がり、選択肢も確実に増えます。

AI時代の士業は、「奪われる側」ではなく「AIを使い、仕組みを設計する側」に回ることで、キャリアの可能性は大きく広がるはずです。

あなたと同じタイプの転職成功事例を探す

会員登録(無料)