38歳 AIに業務を奪われ始めた司法書士の本音
司法書士として不動産登記や商業登記を中心にキャリアを築いてきた38歳の彼。近年のオンライン登記申請やAIによるドラフト生成の普及により、定型的な登記書類の作成は急速に効率化が進んでいました。一方で、不動産テック領域では法務・リスク管理・プロダクト連携のニーズが急拡大。司法書士としての知識を「書類作成中心」から「事業サイドのリスク設計」へ転用し、PropTech企業のコンプライアンス&プロダクト法務へ転職した事例です。
人物プロフィール
年齢:38歳
性別:男性
転職前:司法書士
転職後:PropTech法務
転職前年収:600万
転職後年収:850万
転職動機・テーマ:司法書士の業務がAIに代替され始め、今後も年収アップも見込めなかったので。
ざっくりまとめると
司法書士からPropTech法務へ転身した38歳男性の事例。不動産取引の上流設計へキャリアを広げた理由を解説。
転職前のキャリアと悩み
私は、小規模司法書士事務所で、司法書士として働き、不動産登記・商業登記を長年担当してきました。
仕事自体は嫌いではなく、不動産取引の最後の決済という重要な場面に立ち会えることには誇りも感じていましたが、電子契約やオンライン登記申請の普及、AIによる定型書類の自動作成ツールの登場により、登記業務の一部が急速に効率化されていく現場を目の当たりにしました。
特に大きかったのは、司法書士仲間の間でも「このまま5〜10年後も同じ働き方が続くとは限らない」という空気が強まってきたことです。書類作成の付加価値は下がり、一方で法務リスク管理や不動産取引におけるプロセス設計など、より上流の知識が求められることを実感していました。
転職を意識したきっかけ
転機になったのは、とある不動産スタートアップとの打ち合わせでした。
オンライン完結型の不動産取引プロダクトを開発している企業で、「登記手続きのフローをどう組み込むべきか」「本人確認の厳格性をどう担保するか」「不正取引のリスクをどう下げるか」といった相談を受けたのです。
それは、司法書士として日々行っていた判断がプロダクトの根幹になるという体験でした。このとき初めて、自分の知識は書類作成だけでなく、事業側の意思決定やプロダクト設計にも活かせると気づきました。
同時に、AIやデジタルサービスが登記書類の作成を代替していく流れは止まらないと感じ、「であれば、テクノロジーを使う側に回るべきだ」と転職を真剣に検討し始めました。
転職活動内容
まず取り組んだのは、自分の司法書士としての経験を「事業立ち上げに役立つスキル」として翻訳することでした。
登記手続きのリスク判断、本人確認プロセスの要件整理、不正取引防止策の立案、契約書や重要事項説明の法的チェック、不動産取引フロー全体の可視化など、日々の業務で行ってきたことを洗い出し、それらすべてが不動産テック企業のコンプライアンス設計に直結することを整理しました。
転職活動は、司法書士出身者のキャリア支援に強いエージェントと、PropTech企業へのダイレクト応募の二軸で進めました。面接では「登記の技術」ではなく、「不動産取引全体の安全性をどう設計するか」を軸に話すことで、事業サイドへの貢献イメージを具体的に伝えるよう意識しました。
意思決定のポイント/自分の市場価値
最終的に入社したのは、オンライン売買プラットフォームを展開する成長中の不動産テック企業でした。
評価されたポイントは次の通りです。
1. 登記だけでなく、不動産取引の全体像を理解していること
2. リスク判断をプロセス設計に落とし込んだ経験があること
3. AI・デジタル化への理解と前向きな姿勢があること
4. プロダクトチームやCS、営業と横断的に会話できる実務感があること
提示された条件は年収600万から850万プラスSO。書類を作る側から、取引プロセス全体を設計する側へとキャリアチェンジする決断をしました。
内定・転職後の変化
入社後は、コンプライアンス&プロダクト法務担当として、不動産取引フロー全体の安全性を担保する業務に携わっています。
具体的には、本人確認プロセスの高度化、不正検知ロジックの策定、取引フローの法令準拠チェック、プロダクト仕様へのリーガル観点の組み込み、宅建業法や犯罪収益移転防止法への対応、取引リスクの定量化と改善提案など、多岐にわたります。
テクノロジーの進化に合わせて登記業務そのものは効率化されていきますが、不動産取引を安全に回すための仕組みづくりは、人間の判断と経験が欠かせない領域です。司法書士としてのバックグラウンドを活かしながら、事業全体に影響を与えられるポジションで働けていることに、大きなやりがいを感じています。
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