法人融資RMからM&Aコンサルタントへ|金融出身29歳が“後継者不在”の現場で承継を動かした未経験転身
今回は、地域金融機関で法人融資RMとして中小企業の資金調達や事業性評価に携わってきた29歳男性が、国内最大級のM&A仲介会社へ未経験転職し、M&Aコンサルタントとして事業承継の支援に踏み出した事例です。
融資の枠を超えて「会社を残す」意思決定に伴走するために、キャリアの軸を変えたストーリーをお届けします。
人物プロフィール
年齢:29歳
性別:男性
転職前:地域金融機関/法人融資RM(事業性評価・資金調達支援・条件変更対応・経営改善支援の伴走)
転職後:国内最大級のM&A仲介会社/M&Aコンサルタント
転職前年収:720万円(賞与込み)
転職後年収:800万円(入社時提示)+インセンティブ
転職動機・テーマ:資金繰り支援の先にある「後継者不在・廃業」の根本課題に、承継という選択肢で向き合いたい。金融→未経験M&A(財務×経営者折衝を武器に、承継の意思決定を動かす)
ざっくりまとめると
・RM経験で鍛えた 決算書読解・事業性評価・経営者折衝・紹介獲得 が、M&A仲介の基礎能力として評価された
・未経験の弱点(バリュエーション、M&A実務)は、短期集中学習+企業分析メモのアウトプットで補完し、面接では“再現性”を提示
・転職後はソーシング(案件化)からマッチング、条件調整、クロージングまで長期で伴走し、融資とは違う「感情の意思決定」に向き合う比重が増えた
・“会社を残す”という成果の重みが大きく、当事者意識と成長実感が強まった
転職前のキャリアと悩み
転職前は、地域金融機関で法人RMとして中小企業を担当していました。業種は製造・建設・卸・サービスなど幅広く、資金繰り支援、設備投資の融資、条件変更、補助金・制度融資の案内、時には経営改善計画の伴走まで踏み込むこともありました。
特に力を入れていたのが「事業性評価」です。決算書の数字だけでなく、
・何で稼いでいるのか(粗利構造・固定費の重さ)
・どこが詰まっているのか(運転資本・回転期間・在庫、売掛・買掛)
・投資が必要なポイントはどこか(設備老朽化、更新投資の負担)
・誰が意思決定しているのか(社長・親族・番頭・取締役)
といった“実態”を見に行き、経営者に伴走する仕事でした。
ただ、経営者に深く入り込むほど、融資の枠だけでは解けない課題が浮き彫りになっていきました。
「資金は何とかなる。でも継ぐ人がいない」
「会社を畳むか、誰かに託すかで迷っている」
こうした相談が増え、融資支援の先にある“出口”に自分が関われないもどかしさが積み上がっていきました。
転職を意識したきっかけ
転機は、長年担当していた製造業の社長から「息子は継がない。従業員のことを考えると、会社を残したいが方法が分からない」と相談されたことでした。
数字は悪くない。取引先もある。現場の力もある。
それでも後継者がいないだけで、会社が消える可能性がある。しかも、社長の意思決定一つで、従業員の雇用、取引先のサプライチェーン、地域の産業基盤まで揺らぐ。
「資金繰り支援はできても、会社存続の意思決定は動かせない」
この現実を前にして、承継の手段としてM&Aに本気で向き合う必要があると感じました。融資の枠を超えて、経営者の“最後の意思決定”に伴走する仕事に移りたい。そう考えるようになりました。
転職活動内容
未経験転職で意識したのは、金融経験を「M&Aの成果に直結するスキル」に翻訳して示すことでした。
1)RM経験をM&Aプロセスに置き換えて言語化
・ソーシング(案件化):訪問量・紹介導線・経営者の本音を引き出す関係構築
・企業理解:決算書だけでなく事業の実態を見て、強みとリスクを言語化する事業性評価
・条件調整:利害が異なる関係者(社長・親族・金融機関・顧問税理士)との落としどころ形成
・案件推進:期限・優先順位が複数ある状況で、手戻りを減らしながら前に進める段取り力
2)弱点は短期集中で潰す(学習+アウトプット)
・未経験の弱点(バリュエーション、M&Aの実務)を曖昧にせず、
・簡易バリュエーション(EBITDA、マルチプル、時価純資産の考え方)
・M&Aの基本フロー(打診〜意向表明〜DD〜最終契約〜クロージング)
・典型的な論点(表明保証、競業避止、キーマン条項、簿外債務)
を短期で学び、架空企業の分析メモを作って説明できる状態にしました。
3)面接では“初動計画”まで落として再現性を示す
・「入社したら何をするか」を具体に語れることが、未経験リスクを下げると考えました。
・どの業界・どのエリアに当たり、どう紹介を作るか
・どの切り口で経営者の関心を掴むか(後継者、株式、個人保証、金融機関取引)
・断られたときの改善ループ(仮説→接点→検証→改善)
を“行動計画”として提示しました。
意思決定のポイント/自分の市場価値
意思決定のポイントは3つでした。
1.事業承継という社会課題の中心で、経営者の意思決定に最後まで伴走できる
2.ソーシングからクロージングまで一気通貫で担い、成果が報酬に連動する環境で勝負できる
3.教育・ナレッジ・分業が整っており、未経験でも“型”を身につけて早期に立ち上がれる
自分の市場価値は、金融RMとして培った
・財務×事業理解(数字と実態を繋げて説明できる)
・経営者折衝(意思決定の構造と感情の両方に向き合える)
・紹介導線の構築(顧問税理士・他業者・既存顧客からの紹介を作る)
リスク感度(簿外・資金繰り・保証など“落とし穴”に早く気づく)
だと定義しました。
内定・転職後の変化
転職後、最も変わったのは「意思決定の性質」です。融資は合理性で進む部分が大きい一方、M&Aは合理性に加えて“感情”が強く影響します。
・会社を手放す葛藤
・親族への説明
・従業員の将来への不安
こうした要素を丁寧に扱いながら、プロセスを前に進める必要があります。
一方で、ソーシングから入ることで、譲渡理由や優先順位を早期に整理でき、失注要因を先回りして潰せるようになりました。
「この会社を次に繋げた」と実感できる瞬間は、融資支援とは違う重みがあります。成果連動の報酬設計も含めて、納得感が増しました。
一方で、「会社を残せた」「社員が安心した」と言われる瞬間の手応えは、営業時代とは比べ物になりません。成果連動の報酬設計も含めて、納得感が増しました。
あなたと同じタイプの転職成功事例を探す
会員登録(無料)