戦略コンサルからM&Aコンサルタントへ|“提言で終わらせない”ために未経験で仲介へ飛び込んだ32歳

今回は、総合/戦略コンサルティングファームで成長戦略・新規事業・PMOを経験してきた32歳男性が、国内最大級のM&A仲介会社へ未経験転職し、M&Aコンサルタントとして事業承継の現場に入った事例です。
「提言」から「意思決定の当事者」へ。戦略の型を、ソーシングからクロージングまでの“泥臭い実行”に落とし込んだストーリーをお届けします。

人物プロフィール

年齢:32歳
性別:男性
転職前:総合/戦略コンサル/シニアコンサルタント〜マネージャー(成長戦略、新規事業、PMO、業務改革)
転職後:国内最大級のM&A仲介会社(企業名非公開)/M&Aコンサルタント
転職前年収:1100万(賞与込み)
転職後年収:1050万(入社時提示)+インセンティブ
転職動機・テーマ:提言で終わらず、経営者の意思決定に“最後まで責任を持って”伴走したい。コンサル→未経験M&A(構造化×推進×交渉設計を承継支援に転用)

ざっくりまとめると

・コンサルで培った 課題構造化・仮説検証・PMO推進・意思決定者折衝 が、M&A案件の推進に直結

・未経験の壁(ソーシングの行動量、仲介特有のプロセス)は、初動計画とKPI設計で“やること”を具体化して突破

・財務・バリュエーションは元々の基礎を土台に、M&A実務(DD、契約論点)を短期集中で補完

・転職後は、成果が自分の行動に直結し、意思決定の“最後の一押し”まで担う責任と手応えが増した

転職前のキャリアと悩み

前職では、業界横断で成長戦略や新規事業、業務改革、PMOを担当していました。市場分析、競合調査、KPI設計、実行計画づくり、ステークホルダー調整までを一気通貫で行い、プロジェクトを前に進めること自体には強みがありました。

ただ、プロジェクトが進むほど、最後の意思決定が「社内政治」「優先順位の変更」「人材不足」で止まる場面も見てきました。
提言は正しい。計画も妥当。それでも、実行の“最後の一押し”が足りずに成果が出ない。ここにコンサルとしての限界を感じていました。

また、経営者や役員と議論するほど、「成長の選択肢」の中にM&Aが当たり前に入っている一方で、社内では実行人材が足りない現実も見えてきました。
「なら、自分がその実行側に回った方が早い」——そう思うようになっていきました。

転職を意識したきっかけ

ある中堅企業の成長戦略案件で、事業の伸びしろはあるのに、後継者不在や資本政策の制約で意思決定が進まない場面に直面しました。
“戦略の正しさ”ではなく、“意思決定の現実”が会社を動かす。そこに強い問題意識を持ちました。

M&Aは、戦略の一つであると同時に、経営者の人生・社員の雇用・取引先の継続まで背負う意思決定です。
この意思決定を、机上ではなく現場で動かせる人材になりたい。提言で終わらない形で成果責任を持ちたい。そう考えて、仲介への転身を決めました。

転職活動内容

未経験転職で意識したのは、「コンサルのスキルがある」ではなく、M&Aで成果が出る形に翻訳して示すことでした。

1)コンサル経験をM&Aプロセスに翻訳

・ソーシング(案件化):仮説を立ててターゲット業界/企業を絞り、刺さる論点で接点を作る

・初回面談の設計:譲渡理由、優先順位、譲れない条件を構造化し、意思決定の順番を作る

・マッチング提案:買い手のシナジー仮説を立て、提案ストーリーを設計

・条件調整・推進:論点整理→合意形成→タスク管理(PMO)でクロージングまで前に進める

2)“行動量が出る人”として初動計画を用意

仲介では行動量が成果を分けるため、入社後の初動を数字で語れるようにしました。

・週次の面談数KPI、紹介導線の作り方

・断られた時の改善ループ(仮説→打診→検証→修正)

・案件化のボトルネック(譲渡意思の形成、情報秘匿、顧問先調整)への打ち手
を具体に示し、未経験リスクを下げました。

3)M&A実務は短期集中で補完

財務の基礎はあっても、仲介の実務は別物です。
DD、契約論点(表明保証、競業避止、キーマン条項など)を体系的に整理し、ケース面接でも“論点で話せる”状態にしました。

意思決定のポイント/自分の市場価値

意思決定のポイントは3つでした。

1.経営者の意思決定に最も近い場所で、最後まで成果責任を持てる
2.ソーシングからクロージングまで一気通貫で担い、成果が報酬に連動する
3.ナレッジ・分業・教育があり、未経験でも立ち上がれる仕組みがある

自分の市場価値は、

・構造化:複雑な状況を論点分解し、意思決定の順番を作れる
・推進力:利害が異なる関係者を巻き込み、期限までに前に進める
・提案設計:買い手・売り手それぞれの“刺さるストーリー”を組み立てられる
と定義しました。仲介の現場で、これらを行動量に落とし込めることが強みだと考えました。

内定・転職後の変化

転職後は、成果の見え方が一気に変わりました。
コンサルでは、成果はクライアントの実行に依存しますが、仲介では自分の行動がそのまま案件化・成約に繋がります。良くも悪くも“逃げ場がない”。その緊張感が、成長スピードを上げました。

また、意思決定の重さも増えました。経営者の人生、社員の雇用、取引先との関係まで背負う決断に並走します。
難しい分、成約した時の手応えは非常に大きく、「会社を次に繋げた」実感があります。

メッセージと総括

コンサル出身でM&A仲介に挑戦するなら、鍵は「構造化」だけではなく、それを行動量に落とすことです。
ターゲット設定、面談設計、紹介導線、改善ループ——この“泥臭い実行”まで含めて再現性を示せれば、未経験でも勝負できます。

提言で終わらず、意思決定の当事者として会社の未来に伴走したい人にとって、M&A仲介は本気で挑戦する価値のある領域だと思います。

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