36歳で人材営業から事業企画へ/仕組みで業界を変える挑戦!
人材紹介会社でキャリアアドバイザーとして働いていた彼は、日々多くの転職希望者を支援してきました。しかし次第に「目の前の1人を支えるだけでなく、仕組みから変えられる立場になりたい」と感じるようになっていきます。
そこで彼は、人材業界の中でも自社でプラットフォームを運営し、事業全体の仕組みを設計する企業へ転職しました。営業として培った課題発見力を武器に、いまは事業企画として業界を裏側から支えています。
このページでは、彼がどのようにして「人を支える営業」から「仕組みで支える企画職」へとキャリアをシフトさせたのか。その具体的なプロセスと、転職前後の変化を詳しくご紹介します。
人物プロフィール
年齢:36歳
性別:男性
転職前:総合人材サービス企業/キャリアアドバイザー兼リクルーティングアドバイザー(両面型人材紹介)
転職後:人材プラットフォーム運営企業/事業企画(ビジネスオペレーション・リーダー候補)
転職前年収:480万
転職後年収:750万
転職動機・テーマ:人を支える営業から、“仕組みで支える”企画職へ挑戦
ざっくりまとめると
- 36歳男性、人材紹介会社の営業職から事業企画職へキャリアチェンジ
- 営業現場で感じた「非効率」を解消する仕組みをつくりたい思いが転職動機
- 年収は480万円→750万円にアップ、職種もプレイヤーからリーダーへ
- 転職後は営業効率化と顧客活用最大化を担うプロジェクトを主導
- 「人の支援」から「仕組みの支援」へ軸をシフトし、業界全体に貢献
転職前のキャリアと悩み
成長の実感と、同時に感じた構造的な限界
前職では、求職者と企業の双方を担当する両面型の人材紹介営業として働いていました。毎日のように面談と商談を繰り返し、「自分が関わったことで人生が少し前に進んだ」と実感できる場面も多く、仕事自体には大きなやりがいを感じていました。
一方で、心のどこかでモヤモヤも抱えていました。社内のデータ管理は属人的で、入力ルールもばらばら。求職者情報や求人情報を探すだけで時間がかかり、本来注力したい提案やフォローに十分な時間を割けていない感覚がありました。
「もっと仕組みが整っていれば、チーム全体の成果は上がるのに」。そう感じて上司に改善提案をしても、現場は常に忙しく、目の前の数字を追うことが優先されがちでした。小さな改善はできても、根本から変えるところまでは踏み込めない。
個人としてはそこそこの成績を出し、年収も480万円まで上がっていましたが、「このまま同じやり方で数字だけを積み上げていくのか」と考えると、どこか物足りなさを覚えるようになりました。自分のキャリアを振り返ったとき、「一人一人を支えること」だけでなく、「仕組みで多くの人を支える側」に回りたいという思いが、少しずつ強くなっていきました。
転職を意識したきっかけ
一つの改善で、何十人もの営業が救われると気づいた瞬間
転機になったのは、社内の営業管理システムを見直す小さなプロジェクトに参加したことでした。
当時、営業現場では「どの顧客に、誰が、いつ、どんな提案をしたか」が一目で分からず、情報の取りこぼしやフォロー漏れが起きがちでした。そこで、営業数名とバックオフィスのメンバーで現状を洗い出し、ヒアリングを重ね、入力項目やフローの整理を行うことになりました。
私は現場代表として、営業がどのタイミングでどんな情報を見たいのか、どの操作が負担になっているのかを細かく言語化していきました。試行錯誤を重ねて改善版のフローが動き始めると、「商談前の準備が楽になった」「引き継ぎがスムーズになった」という声が各チームから上がるようになりました。
そこで初めて、「一つの仕組みを変えるだけで、何十人もの営業が助かるんだ」と実感しました。自分が一人で面談できる人数には限りがありますが、仕組みを変えれば、関われる人の数は一気に増える。この経験がきっかけで、「営業として成果を出す人」ではなく、「仕組みをつくって多くの人の成果を支える人」になりたいと、はっきり意識するようになりました。
そこから、「事業企画」「ビジネスオペレーション」「オペレーション設計」といったキーワードを意識して情報収集を始め、次第に自分のキャリアの軸は、営業から企画・仕組みづくりへと移っていきました。
転職活動内容
営業経験を“設計力”に翻訳する自己分析と転職戦略
転職を意識し始めて最初に取り組んだのは、「自分の経験をどう企画側の言葉に置き換えるか」という自己分析でした。
これまで当たり前にやってきたことを一つひとつ分解し、「課題の仮説を立てる」「情報を整理する」「優先順位をつけて実行する」といったプロセスに言語化していきました。すると、営業として培ってきたスキルの中に、オペレーション設計や業務改善にも応用できる要素が多いことに気づきました。
転職活動では、人材業界やSaaSなど、データとオペレーションで事業を伸ばしている会社を中心にリサーチしました。転職サイトで求人を探しつつ、エージェントにも登録し、「営業経験者を事業企画ポジションで採用したい企業」を紹介してもらいました。
応募書類では、単に売上やKPIの数字を並べるのではなく、「どのような課題を認識し、どんな仮説を立て、どのように改善したか」というプロセスを具体的に記載しました。面接対策では、エージェントからのフィードバックをもとに、「なぜ企画に挑戦したいのか」「どんな価値を出せるのか」を自分の言葉で何度も話す練習をしました。
結果として、数社から書類選考と一次面接の機会を得ることができ、「営業としての実績」よりも「現場を理解したうえで仕組みを設計できる人材」として評価してもらえる手応えを感じ始めました。
意思決定のポイント/自分の市場価値
現場視点を評価してくれた「仕組みで支える」ポジションとの出会い
最終的に内定をいただいた会社の中で、私が選んだのは、人材紹介と求人媒体サービスを掛け合わせたプラットフォームを運営している成長企業でした。登録者数は100万人規模、導入企業も2万社を超えており、人材業界の中でも「仕組み」で勝負している会社だと感じました。
ポジションは、ビジネスオペレーションを担う事業企画のリーダー候補。営業の業務効率化や既存顧客のサービス活用最大化を目的としたオペレーション設計が主なミッションです。選考の中で印象的だったのは、「現場を知らない企画は机上の空論になりやすい。だからこそ営業出身の人に、仕組みづくりを任せたい」という言葉でした。
これまで感じてきた現場の非効率さや、改善プロジェクトでの学びが、まさに求められていると実感できた瞬間でした。また、少人数のチームで裁量を持って動ける環境であること、将来的に組織づくりや仕組み全体の設計にも関われることが決め手になりました。
オファー面談では、役割と期待値のすり合わせを丁寧に行い、年収も480万円から750万円へ大きくアップ。金額以上に、「自分のキャリアの方向性」と「会社のフェーズ」がフィットしている感覚があり、このタイミングで挑戦しない理由はないと思い、入社を決意しました。
内定・転職後の変化
視点が“個人の支援”から“仕組み全体の最適化”へ広がった
入社後は、ビジネスオペレーションユニットのメンバーとして、営業組織全体の業務フローの見直しや、既存顧客のサービス活用を高めるためのオペレーション設計に取り組んでいます。
具体的には、営業が日々使うリストや管理画面の設計、契約から入社確認までのプロセスの整理、活用が進んでいない顧客への定期フォローの仕組みづくりなどを担当しています。3〜5名のメンバーをまとめながら、KPI設計や改善サイクルを回していく役割です。
ポジティブな変化としては、自分のアウトプットが組織全体の生産性向上に直結する実感があることです。新しいフローを導入したあと、「事務作業が減って商談に集中できるようになった」「フォロー漏れが減って受注率が上がった」といった声を聞くと、かつて自分が抱えていたモヤモヤを一つずつ解消しているような感覚になります。
一方で、ネガティブというほどではありませんが、良い仕組みを作れば終わりではなく、定着と改善を地道に続けていく必要があることも痛感しています。現場とのすり合わせや、影響範囲の調整など、営業時代とは違う難しさもあります。
それでも、「人を支える仕事が好き」という原点は変わっていません。今はその手段が、面談や提案から、仕組みづくりとオペレーション設計に変わっただけだと感じています。これからも、人材業界の現場が少しでも働きやすくなるような仕組みをつくり続けていきたいです。
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