34才で大手人材会社からHR SaaSスタートアップに転職し掴んだ“創る自由
今回は、人材業界大手でプロダクトマネージャーを務めていた34歳男性が、HR×Techの融合を目指すスタートアップにCPOとして転職し、採用体験を根本から変革するプロダクト創出に挑戦した事例をご紹介します。大手企業で培った経験を“スピード”に変えた決断、その背景に迫ります。
人物プロフィール
年齢：34歳
性別：男性
転職前：大手人材会社（採用支援事業部）／プロダクトマネージャー
転職後：HR SaaSスタートアップ／CPO（Chief Product Officer）
転職前年収：900万
転職後年収：1300万
転職動機・テーマ：HR×Techで採用体験を変革し、スピード感ある環境で事業を創る挑戦
ざっくりまとめると
・大手人材会社で求人マッチングシステムの企画・運営を担当
・既存プロダクトの制約に限界を感じ、転職を検討
・HR SaaSスタートアップにCPOとして参画
・自身の手で採用体験を変革するプロダクトを立ち上げ
・年収900万→1300万にアップ。意思決定の速さと成長環境を実感
転職前のキャリアと悩み
「理想のプロダクトを作るには、スピードが足りなかった」
私は、新卒で入社した業界最大手となる某人材会社（上場会社）の求人マッチングシステムの開発を担当。業界では比較的裁量が大きいカルチャーで知られていますが、システムに関してはユーザー体験(採用体験などのUI面やAIマッチングフロー)を進化させたいと思っても、大規模な組織ゆえの承認プロセスやシステム統合の壁が厚く、エンジニアとしてのスキルアップもあまり見込めない環境でしたので、もっと小さなチームで、スピード感を持って動きたいと感じていました。
転職を意識したきっかけ
「プロダクトが人を変える瞬間を見た」
転機は、あるピッチイベントで出会ったHR SaaSスタートアップでした。たった10名のチームが、AIを活用した採用管理システムを開発しており、デモで見たユーザー体験の滑らかさに衝撃を受けました。彼らは私が何年も議論してきた課題を、数ヶ月で解決していましたので「組織の規模ではなく、意思決定の速さこそが革新を生む」と思い、スタートアップへの転職を具体的に考え始めました。
転職活動内容
「複数のアプローチを並行し、スタートアップとの相性を見極めた」
転職活動では、まずエージェントを通じてハイクラス向けの求人を確認しました。ただ、紹介される企業は大手子会社や上場準備中の中堅企業が中心で、私が求める「0→1フェーズのスピード」は感じられませんでした。そこで、自らスタートアップカンファレンスやHR系のイベントに参加。複数の創業者と直接話す中で、自分のビジョンに共感してくれた1社のCEOと意気投合しました。「あなたがCPOとして入れば、開発チームを2倍に拡大できる」と言われ、事業責任を担う覚悟でオファーを受けました。
意思決定のポイント／自分の市場価値
「市場価値は“ユーザー思考×事業視点”にあった」
選考を進める中で気づいたのは、“エンジニア寄りのPM”ではなく、“事業を見据えたプロダクト人材”が希少だということ。自分は後者であり、それがスタートアップに求められている強みでした。結果的に、AIとデータ分析を強みとするHR SaaSスタートアップにCPOとして参画。年収は1300万に上がり、報酬以上に「意思決定が早い環境」での充実感を得ました。
内定・転職後の変化
「プロダクトが“自分の分身”になった」
転職後は、プロダクト全体のUX設計からロードマップ策定まで一貫して担当。スピード重視の環境で、1ヶ月単位でユーザー体験を改善しています。小さな意思決定が、翌週にはリリースにつながる——このテンポがたまらない。一方で、体制やリソース不足の課題も多く、「自分が作らないと進まない」という責任の重さを実感しています。今はNマイナス2期、今後、IPOに向けて頑張っていきたいと思います。
メッセージと総括
「転職は“環境選び”ではなく“思想選び”」
プロダクト人材にとって、エージェント経由は情報精度が高く、企業文化や資金調達状況の裏側を知れる点で有効です。一方で、ダイレクトリクルーティングは創業者との熱量が伝わりやすく、スタートアップ志向の人には非常に相性が良いです。どちらを選ぶかは、「自分がどんな思想で働きたいか」で決まる。安定よりも変化を楽しみたい人は、迷わず“創る側”に行くべきです。
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