37才でP&GからD2Cコスメスタートアップに転職して掴んだ“創る自由”

今回は、外資系メーカーでブランドマネージャーを務めていた37歳女性が、「自分の手でブランドを立ち上げたい」という思いを胸に、D2CコスメスタートアップへCMOとして転職した事例です。グローバルブランド運営から“0→1のブランド構築”へ。キャリアの転換点にあったリアルな葛藤と成長を伺いました。

人物プロフィール

年齢:37歳
性別:女性
転職前:外資系消費財メーカー(P&Gジャパン)/ブランドマネージャー
転職後:D2Cコスメスタートアップ/CMO(Chief Marketing Officer)
転職前年収:950万
転職後年収:1400万
転職動機・テーマ:ブランドの立ち上げから顧客体験まで一貫して手掛けたい

ざっくりまとめると

・P&Gで10年以上ブランド戦略に従事
・グローバルブランド運営にやりがいを感じつつも、スピード感や裁量の限界を痛感
・D2CコスメブランドのスタートアップへCMOとして転職
・マーケティング戦略からEC運営、SNSまで統括
・年収950万→1400万にアップ。自分の手でブランドを育てる実感を得た

転職前のキャリアと悩み

「ブランドを“創る自由”が欲しかった」

P&Gでは、グローバルブランドの日本市場戦略を長く担当していました。世界的なブランドの一員として働くことは誇りであり、得られる学びも多かったです。ただ、ブランドコンセプトやキャンペーン方針はすべて海外本社が決め、日本側は“最適化”と“調整”が主な役割。

自分の中で「本当にマーケターとして成長しているのか?」という疑問が膨らみました。ブランドの立ち上げや、顧客との直接的な接点を自分の意思で創りたい。そう思うようになり、転職を意識し始めました。

転職を意識したきっかけ

「SNSで見つけた“無名ブランド”に心を動かされた」

転機は、SNSで偶然見かけた小さなD2Cコスメブランドの投稿でした。広告ではなく、ユーザーのリアルなレビューが多く寄せられており、“企業主導ではなく、共創でブランドを育てている”姿勢に感銘を受けました。

その運営元を調べてみると、創業2年目のスタートアップ。「自分の知識と経験を活かせば、このブランドを大きくできる」と直感しました。以降、D2C領域に特化した企業を調べ始め、複数社との面談を経て、現職のスタートアップに出会いました。

転職活動内容

「エージェントとダイレクトの“掛け合わせ”で最適解を探した」

転職活動は、ハイクラス特化のエージェント経由でスタート。紹介された企業はどれも魅力的でしたが、“ブランドの上流から関わりたい”という希望を満たすポジションは限られていました。

一方で、自ら企業の採用サイトやSNS経由で直接コンタクトを取り、創業者との面談につなげるなど、ダイレクトアプローチも実施。結果、D2Cコスメブランドを運営する企業からCMOオファーを受けました。「ブランドをゼロから創る環境」というキーワードが、自分の軸と一致していました。

意思決定のポイント/自分の市場価値

「自分の価値は“グローバル×ローカル”の視点にあった」

P&Gで培ったグローバルマーケティングの知見を、日本市場のブランド構築に転用できることが、自分の市場価値だと再認識しました。

スタートアップでは、海外ブランドのような体系的なプロセスがないため、自分の経験を仕組み化していくことが求められます。そのギャップがむしろ、挑戦意欲をかき立てました。

内定・転職後の変化

「ブランドを“数字と感情”の両面で育てる日々」

転職後は、マーケティング戦略からSNS運用、顧客コミュニティ設計まで幅広く担当。特に印象的だったのは、ユーザーの声がダイレクトに企画に反映されるスピード。大手では半年かかる改善が、今は2週間で実行できる。

もちろん、リソース不足や仕組みの未整備といった課題もあります。それでも、自分の意思でブランドを動かせるこの環境が心地良い。「誰かの決めたブランド」ではなく、「自分が創るブランド」で生きている感覚です。

メッセージと総括

「キャリアの“幅”より“深さ”を求める人へ」

ハイクラス転職では、エージェントが持つ非公開求人が強みです。特に女性管理職を歓迎する企業の情報は、個人では得にくい部分を補ってくれます。一方で、D2Cやスタートアップのような新興企業は、ダイレクトリクルーティングのスピード感が魅力です。

「ブランドを動かしたい」「裁量を持ちたい」人は、両方のアプローチを並行して活用するのが良いと思います。私のように“安定から挑戦”へ転じた経験が、同じ思いの方の背中を押せたら嬉しいです。

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